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Student's report #3 @Copenhagen


デンマーク研修学生レポート 第三弾

岐阜薬科大学大学院 薬学研究科 薬科学専攻博士前期課程2年 グローバル・レギュラトリー・サイエンス寄附講座 松本 朋子

 2018年2月25日から3月3日にかけて、デンマーク・コペンハーゲンを訪問し、デンマークを代表する製薬企業の1つであるLEO Pharma、コペンハーゲン大学レギュラトリーサイエンス研究センターとの合同学生研究フォーラムおよびプレシジョンメディシンに関する国際シンポジウムに参加させていただきました。今回の研修参加にあたり、「欧州でレギュラトリーサイエンスに関わる研究者とのディスカッションを通して、自身の研究や知識の幅を広げること」を目標としており、研修を通して感じ得たものは、大きく2つあります。  1つ目は、レギュラトリーサイエンスという研究領域の重要性です。国内では、まだレギュラトリーサイエンスという分野の定義やサイエンスとしての位置づけが確立されていませんが、医薬品開発から患者さんに医薬品を届けるまで、さらには医療技術の応用といったレギュラトリーサイエンスのテーマは多岐に渡り、本研究領域のさらなる可能性と面白さを感じることができました。自分の研究は日本の課題を背景にしているため、諸外国の方々に研究意義や結果をいかに理解してもらい、ディスカッションを進めるかが私の課題でした。実際、デンマークやオランダの学生とともに参加させていただいた研究フォーラムでは、研究テーマの異なる学生や当局、製薬企業で働く方々にも非常に興味を示してもらうことができました。そして、日本の課題への解決策や、新たに構築したモデルの応用方法について、共に考え、有益なディスカッションができたと思っています。2日間にわたって参加させていただいたプレシジョンメディシンに関する国際シンポジウムでは、最先端の生体組織の保管施設の様子や、その活用方法、産官学の連携、ICTの活用により、次世代の医薬品開発を推進する仕組みを学ぶことができました。プレシジョンメディシンは、今後日本でも積極的に取り入れられていくことが予想されますが、そのためには、企業とアカデミア、そして治療を受ける患者側の立場の理解と協力が不可欠です。したがって、日本に合わせたシステムの構築が必要であり、レギュラトリーサイエンスとして取り組むべき課題の一つであると感じました。  2つ目は、諸外国ならびに他分野の方とのディスカッションを通して、自身の幅の広がりを実感したことです。研究活動を通して、国際学会での研究発表や、国際シンポジウムへの参加等、何度も自分の研究内容を英語で発表させていただいたことがありました。しかし今回の研修では、自分の研究発表に加えて、研究テーマの異なる諸外国の研究者とお互いの研究についてディスカッションし、今後の展望を一緒に考えるというワークショップに参加しました。他分野の研究内容について深く知る上で、英語力の乏しさを痛感しましたが、同時に英語をツールとしてコミュニケーションを取り、自分の疑問や知りたいと思う気持ちが何よりも重要であると実感しました。また、企業訪問やディスカッションを通して、日欧だけではなく、欧州諸国の中でも医薬品開発に関わる規制制度に違いがあり、それらの差異についても深く考えることができました。それらは、国内での研究では得られなかった情報ばかりであり、今やグローバルに実施される医薬品開発に関わる上で必要となる新たな視点と気づきを得ることができました。特に、安全性情報に関わるシステムの違いには、国民性の違いも関わっていることが示唆され、最適なシステムを目指すためには、包括的に物事を考えていくことが大事であると認識しました。  今回の研修を通して得た経験は、私自身の成長に繋がったと確信しています。私は来年度から、製薬企業で働きます。医薬品開発の幅広いステージに関わるレギュラトリーサイエンスを学んできたからこそ感じることは、医薬品の承認がゴールではなく、医薬品が患者さんの手元に届き、安全に使用してもらい疾患や障害の治療に役立つことがゴールであるということです。そのゴールを常に意識して、国境のない医療ニーズに応えるような医薬品の開発に貢献したいと思います。  最後になりましたが、このような貴重な機会を提供し、支援していただいた大塚製薬株式会社様、三菱UFJ国際財団様、ならびに関係者の皆様に、この場をお借りして深謝申し上げます。

Global Regulatory Science Gifu Pharmaceutical University M2 Tomoko Matsumoto

I had an opportunity to participate in a visit to LEO Pharma, International Symposium for Young Researchers in Regulatory Science hosted by Copenhagen Centre for Regulatory Science (CORS), and International Conference on Perspectives in Precision Medicine from 25 February to 3 March 2018. I could get two major things through this training. One is the importance of regulatory science (RS). I found that the research area of RS is very wide, from scientific discoveries to delivery to patients, I could get to have interest in RS more and more. At the CORS symposium, there are many kinds of subjects such as animal models, clinical trials, gene and cell based therapies, pharmacovigilance, and generic interchangeability. I thought there is room for the further development of RS research. Various kind of people like agency, WHO, and pharmaceutical company also showed their interest in my research and gave me some new viewpoints which are quite valuable for me. At the conference, I could learn about the leading institution for biological samples and the utilization system of them. I have never heard and seen most of them, and I thought Japan should catch up with their level as soon as possible for better medical treatment. It is also a part of RS. So RS is very important from now on too. The other is that I could broaden my horizons through discussion with people who research RS in Europe. At one of the CORS symposium programs, our background were different but we addressed issues within RS with a global and cross-cultural perspective together. This program gave me a chance to think more deeply about the differences not only between Japanese and European but also among the European countries’ of approach towards the RS. I recognized that the difference of system especially for safety issue may be influenced by the difference of national traits. We should have more comprehensive understanding for setting best practices in optimizing decision making. This training definitely made me grow. In my opinion, with research about RS, the true meaning of GOAL is not getting an approval but serving patients the effective pharmaceuticals and being taken safely. I never forget the GOAL and will make an effort to contribute the need for world health. Last but not least, I deeply appreciate all relevant people’s support, and the generous fund from Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd. and Mitsubishi UFJ Foundation.

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