製薬企業研究者から転身して特任教授となった訳ですが、謂わば被雇用者から雇用者になったようなものです。もちろん、大学組織のなかの被雇用者には違いないのですが、この講座は寄附講座ですので、独立会計。丁度、零細企業の事業主になった感じです。 会社勤めのときには、他人任せだった「決断」も全て自分で行わねばなりません。もちろん、今までも自分の関連する仕事の決断はしてきましたが。これからは、自分の夢に向かって、ヒト、カネ、モノのリソース配分を考え、成果を生み出して行かねばなりません。もちろん、その夢は、ここGPU-GRSに集う仲間達が共有できなければなりません。 これまでとは180度違った役割を担っています。未知なるものを探求する科学者としての「ワクワク」する楽しさと、未知なるものをやり遂げねばならない講座主宰者としての不安が入り交じっています。 そんな私の不安を感じてか、知人の企業トップの方が、ある本を紹介してくれました。慶応大学でMBAを教える清水勝彦教授の「戦略と実行」です。
研究室を運営して行く立場の私には、非常に考えさせられると同時に、自分の組織である研究室、大学が戦略倒れにならないように、「実行」のための本当のミュニケーションとは何か、どうすべきか考えさせられました。